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粟根まことの「未確認ヒコー舞台:UFB」

第十四回「場当たり」

世間ではロンドンオリンピックで盛り上がっている昨今、中継見てますか? 私は見ていません。いや、時々は見ます。嫌いなワケじゃないからね。ただ、全部をキチンと追いかけるのは大変ですからねえ。チョコチョコとだけ見ていますよ。

さて、そんな世間の浮かれ具合と関係なくタンタンと舞台用語を説明しますよ。タンタンといえば、やっとスピルバーグ監督の「タンタンの冒険 ★ユニコーン号の秘密★」を見ました。監督初めてのアニメーション作品、しかも3D! BDを3Dで拝見しましたが、いやあ、実にワクワクしました。さすがスピルバーグ。3Dアニメでもスピルバーグ節は健在でしたね。
いや、タンタンの話ではないのです。淡々と話をするのでしたね。そういえばノンタンってのもいたね。タンタンノンタンタンタンノンタン! おや、どんどん話が逸れてきました。そうでした、舞台用語です。今回皆様にお教えしたい舞台用語は「場当たり」です。

場当たり。「いきあたり場当たり」とか誤解されやすい舞台用語ですが、場当たりとは「一つ一つ場面を当たっていく」から場当たりと言うようです。また、色んな場面を次々と渡っていくので「場渡り」という場合もあるようです。「ばあたり」と「ばわたり」。音にするとほとんど同じなのでどっちでも構わないような気もしますね。要するに、どちらにしても「シーンを順々に当たっていく」という意味では同じ事です。

場面を当たっていくとはどういうことか。演劇では俳優だけではなく、音響、照明、美術、映像など、全てのセクションに「キッカケ」が多数あります。要するに音でも明かりでもセットでも、とにかく何か変化が発生する場面は徹底的にクリアにしていくという稽古です。場当たりというのは専門用語ですから、対外的に説明する時には「舞台稽古」と表現されることが多いのですね。私もそのように説明します。
しかし、演劇関係者にとっては場当たりは場当たり。全てのキッカケを当たり、クリアにしていくのが場当たりです。劇場に入ってからの稽古の中で、最も重要な部分であり、最も時間の掛かる部分でもあります。

キッカケのある部分を当たっていくと言うことは、変化がなければ当たる必要がありません。どんなに長いシーンでも、どんなにセリフが多くても、音も明かりも美術も変化がなければ、その部分は飛ばしていきます。そこが場当たりの場当たりたるトコロ。俳優の演技ではなく、あくまでもテクニカルなチェックをするのが場当たりなんです。
もちろん、我々俳優部にとっては本番通りの舞台上で全てのセリフと動きを確認したいのは山々です。しかし、劇場で稽古ができるのはそれほど長い時間ではありません。どちらかといえば、舞台上で初めて確認できるスタッフ部のチェックを優先するべきです。俳優部は稽古場でみっちり稽古していますからね。その分、スタッフに時間を回すべきなのです。

とはいえ、殺陣やダンスのシーンではみっちりと俳優部にもチェックの時間が与えられます。もちろんそれらのシーンでは音響や照明のキッカケも多いのですが、それとは別に音明かり無しなフラットな状況でのチェックも行われます。純粋に動きを見直すワケですね。ダンスを数ステップごとに動いてみたり、上下(かみしも)がちゃんとシンメトリーな立ち位置になっているかを見たり、殺陣の動きを確認したり。それもまた場当たり稽古に含まれます。
また、舞台の見えない部分、つまりソデ(ソデについては前回ご説明いたしましたね)や舞台裏での動きでも重要な動きがある場合はそれもチェックします。具体的に言えば、衣裳の早替えや裏でのセットの動きですね。表で舞台が進行している間に早替えができるか、セットが移動できるか、などのチェックも行われます。表(舞台面)に変化がなくても裏(舞台裏)に大きな動きがある場合はそれもチェックの対象となります。

どうですか。聞いているだけで気の遠くなりそうな緻密な作業でしょ。そうなんです。とにかく場当たりというのは時間も神経も使う舞台稽古なのですよ。だからでしょうか、場当たり中は物凄くお腹が空くのです。これって私だけ? どんなに食べていても、場当たり稽古が進むとドンドンお腹が空いてくるのですよ。このあたり、他の役者の皆さんにも訊いてみたいトコロですね。

まあとにかく、このようにそれぞれの部署が最終的なチェックを入念に行う時間、それが「場当たり」です。場当たりをみっちりした後、全てを本番通りに行う「ゲネプロ」という最終通し稽古を経て、本番に至ります。ゲネプロについてもいつかご説明したいと思いますが、ま、今書いた通りなんですけどね。

それはそれとして、やはりオリンピックをきちんと見ると盛り上がりますねえ。フェンシング・フルーレとか、日本人は決勝に残れませんでしたが、決勝は見応えがありました。丁寧な解説で門外漢にも判りやすい。ちょっと違うとは思うのですが、やはり男の子はチャンバラ的な勝負にはリキ入っちゃうんですよね。

そんなチャンバラやダンス、そしてもちろん芝居、さらには舞台専門用語がバンバン出てくるバックステージモノの舞台「abc★赤坂ボーイズキャバレー 3回表〜喝!&勝つ!〜」という舞台が8月末に行われますよ! そして私も出ていますよ!
タイトルからは想像できませんが、熱い男たちが集まって熱い舞台を作り上げるという演劇をテーマにした舞台です。こんなに普通に舞台専門用語が出てくる舞台も珍しいと思いますので、勉強がてらぜひご覧下さいませ!


粟根まこと

粟根 宣材

あわねまこと○64年生まれ、大阪府出身。85年から劇団☆新感線へ参加し、以降ほとんどの公演に出演。劇団外でも、ミュージカル、コメディ、時代劇など、多様な作品への客演歴を誇る。演劇ぶっくコラム「粟根まことの人物ウォッチング」でもお馴染み。
・・・・・・
次回予定◇『abc★赤坂ボーイズキャバレー 3回表 ~喝!&勝つ!~』

akasakaboys_3omote_200_a.jpg

脚本・演出◇堤 泰之
出演◇粟根まこと(劇団☆新感線)/岩﨑大(Studio Life)/清水順二(30-DELUX) ほか
8/21(火)~8/26(日)◎赤坂ACTシアター(東京公演)
8/31(金)~9/2(日)◎シアターBRAVA!(大阪公演)
問合せ:0570-00-3337(サンライズプロモーション東京)


コラム「粟根まことの人物ウォッチング」掲載の「演劇ぶっく」8月号 全国書店にて発売中!
▼こちらでもご購入いただけます▼
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