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粟根まことの「未確認ヒコー舞台:UFB」

第十六回「仕込みとバラシ」

この八月は「abc★」、九月は「傀儡女」で暑く過ごし、十月に入ったと思ったら急に涼しくなりましたね。いかがお過ごしでしょうか? 私はやっと一息つけました。
しかし、なんか月いちペースで舞台をしていますね。相変わらずのバタバタです。稽古期間はそれぞれ三週間ほど。短めではありますが、稽古は長ければ良いというものでもありません。密度の高い二ヶ月間でした。

さて、そんな舞台の本番の前後には付きものの行為があります。それが「仕込みとバラシ」。なんか「ロミオとジュリエット」とか「ケイコとマナブ」とか「グリとグラ」とか「内山田洋とクールファイブ」とか「コンタクとレンズ」とか「ゲシュタルと崩壊」とか、まあなんか並列で語られてしまう、切っても切れない関係の二つ。しかし、「仕込みとバラシ」が意味するのは「始まりと終わり」なのですね。

「仕込み」というのは文字通り「仕込む」という作業のことでして、ここでは劇場に入ってセットやら照明やら音響機材やらをセッティングしていくコトですね。本来は機材搬入から、スタッフが全てのセットと機材を配置し終わって役者に舞台説明をするトコロまでが「仕込み」ですが、その後の場当たり・ゲネプロなどの舞台稽古が終わってお客様に見せられるようになるトコロまでを「仕込み期間」と呼んでいる場合もあります。

仕込みという言葉は一般的にも使いますね。料理店が入り口に「準備中」という札の代わりに「一生懸命仕込み中」なんて書いてある場合もあります。この場合は下ごしらえってコトでしょう。また、マジシャンはネタを仕込むでしょうし、お笑いのドッキリ番組などではネタを仕込むでしょう。
このように、一般に準備することを仕込むと言いますが、アスリートが準備運動をすることを「仕込んでいる」とは言いませんし、受験勉強中の学生が学問を仕込んでいるとも言いません。
何となくではありますが、何かを達成するための準備ではなくて、誰かに披露するような行為の準備を「仕込む」と言うのではないでしょうか? ないでしょうか、と聞かれても困りますよね。まあ、そんな字義のコトは置いといて、とにかく舞台を設営することを「仕込み」と言うのだと思って下さい。

小劇場などではプロのスタッフを大量に雇うことができずに、役者たちが仕込みを手伝うことも多いのです。もちろん専門知識が必要な作業ですからチーフはプロが務めますが、その分、役者たちも勉強して一通りの知識は持っています。ナグリ(いわゆる金槌)やノコギリの使い方や基本的な照明機材の名前などは覚えさせられたものです。
この連載でご紹介している舞台専門用語もその頃に覚えたモノです。ついでに他の劇団の仕込みも手伝いに行ってタダで見せて貰うとか、更に勉強して舞台会社にバイトで雇って貰うとか。舞台の勉強もできて、タダ見ができたりお金がもらえたりする! 私も若い頃は色んな所に行ったものでした。もちろん失敗して怒られたりもしたけどね。

大きな舞台やプロデュース公演などでは規模が大きすぎて役者には手が出せなくなっていますが、若い頃の経験は色んな所で役に立っています。ほら、こうやって用語解説の連載を持ったりね。書いているウチに、益々レアな舞台用語を思い出してきました。それも今後ご紹介したいと思います。

そして、「バラシ」というのも文字通り舞台を「バラす」コトです。公演が終了して、持ち込んだセットや機材を搬出し、劇場を常態に戻すまでがバラシです。
なんでしょうね、バラす、って。機械を解体することもバラすですし、予定を白紙に戻す時も「スケジュールをバラす」とか言いますし、物騒ですが人を殺すことも隠語で「バラす」と言いますよね。やはり「バラバラにする」が略されたのでしょうか? これまた、でしょうか、と聞かれても困ることでしょう。
舞台用語としてのバラシはそれこそ舞台をバラバラにして材料の段階にまで戻します。つまり家のセットが材木の集まりにまでバラされます。しかし、その後に旅公演などがあってそのまま持って行く場合はパーツごとにまでバラされます。これを「半バラシ」と言いまして、釘を半分まで抜いて材木に付いたままにしたりします。そのまま打ち込めばまたセットが簡単に組めるからですね。略して「半バラ」なんて言ったりもします。

仕込みの場合、役者はまだ稽古場で稽古をしていたり準備をしたり休んだりして参加しないことが多いのですが、バラシの場合は何しろ舞台は終わっていて、しかもソコに居るワケですから、場合によっては参加することもあります。特に小劇場の場合、梱包や掃除などの簡単な作業を手伝ったりします。そして、バラシが終わったらお待ちかねの「打ち上げ」ですよ! 無事に終わって美味しいお酒が飲みたいものですね。

どーもー、ゲシュタルで〜す! 崩壊で〜す! 二人併せて「ゲシュタルと崩壊」で〜す! 頑張っていかなあかんと思ってるんですけども、名前だけでも覚えて帰って下さいね〜! という漫才コンビを想像しました。いや、冒頭のネタのコトなんですけどね。どうやら割と気に入ったようです。ゲシュタルト崩壊。何度も書いているウチに「ぬ」という文字がどんなだっけ、と混乱するような現象です。名前だけでも覚えて帰って下さい。


粟根まこと

粟根80

あわねまこと○64年生まれ、大阪府出身。85年から劇団☆新感線へ参加し、以降ほとんどの公演に出演。劇団外でも、ミュージカル、コメディ、時代劇など、多様な作品への客演歴を誇る。演劇ぶっくコラム「粟根まことの人物ウォッチング」でもお馴染み。
・・・・・・
次回予定◇『傀儡女 (クグツメ)~時の男最終章』

#15_kugutsu

作・演出◇わかぎゑふ
出演◇コング桑田 野田晋市 粟根まこと 八代進一 みやなおこ 浅野彰一 船戸慎士 小林大介 森崎正弘 谷山知宏 岡田朋也 平尾なつみ うえだひろし 谷川未佳 西岡香奈子 堀江勇気 増井友紀子 加門功 久井正樹 わかぎゑふ

9月27日(木)~30日(日)◎ABCホール(大阪)
10月16日(火)・17日(水)◎全労災ホール/スペース・ゼロ(東京)
10月19日(金)・20日(土)◎道新ホール(札幌)※会員制


コラム「粟根まことの人物ウォッチング」掲載の「演劇ぶっく」10月号 全国書店にて発売中!
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